2025年2月26日 公開

内容証明とは?その役割やメリット・デメリットは?
内容証明とは、
いつ、どのような内容の文書を、誰から誰に送ったか を郵便局に証明してもらえる制度です。
いわゆる「言った」「言わない」の問題に対する証拠として働いてくれたり、
大切な通知・通告の内容を証明してくれたりと、ときに心強い存在となってくれます。
ここでは、そんな内容証明について説明していきたいと思います。
01-「内容証明」とは?
冒頭でも説明したとおり、内容証明を簡単に説明すると、
いつ、どのような内容の文書を、誰から誰に送ったか を郵便局に証明してもらえる制度です。
一般的な封緘したお手紙の場合、送った人と受け取った人以外は中身が知れないものですが、
内容証明は、同じ内容の書面を3通作成し、
それぞれ、送る人・受け取る人・郵便局 が最終的に保管したり受け取ったりすることになります。
02-内容証明の役割・効果
内容証明が果たす役割として、その内容を客観的に証明できる点にあります。
一般的なお手紙や、口頭での話し合いの場合、「伝えたはずだ!」「そんなことは聞いていない😠」といった、
いわゆる “言った言わない問題” が発生する可能性があります。
特に、金銭的な問題や大切な契約など、後日トラブルにしたくないような重大な場面においては、
この内容証明を利用することで、その問題を未然に防ぐことが可能です。
なお、あくまで証明されるのはその “存在” です。
内容証明は、その内容の “真実性” を証明するものではなく、
“その内容を伝えたという事実” を証明するに過ぎませんが、
あらゆる場面において、あなたを守る武器となることに違いはありません。
03-内容証明のメリット・デメリット
下記のとおり、内容証明を使うことでメリットがあると同時に、利用する際のデメリットもあります。
【メリット】
◎ 通知の内容・配達の事実・配達日を後日証明できる
『02-内容証明の役割・効果』でもお話ししたとおり、いわゆる “言った言わない問題” を未然に防ぐことができます。
なお、配達の事実や配達日を証明する場合、
内容証明サービスに加えて「配達証明🔗」のサービスを利用する必要があります。
別途費用(1通につき350円)がかかりますが、内容証明を利用する際にはつけるべきサービスです。
※当事務所では、必ず配達証明サービスを利用してお手続きさせていただいております
◎ 相手に心理的プレッシャーを与えられる
内容証明は、日常生活において受け取る機会がほとんどないため、
受取人は、その見慣れない仰々しい形式や、そもそもの「内容証明」という名称自体に驚かされることもあります。
また、内容証明が利用されるケースにおいては、
その文中に「本通知に応じない場合、法的手続に移行する」といった内容が記載されていることも少なくありません。
それを見た大半の受取人は、「早く動かなければ…」という考えに至ります。
今まで再三の連絡にも応じなかった相手方が、
内容証明によってやっと動くといったことも多くあるため、非常に効果的ですし、
訴訟などが起きる前に解決できる可能性が高いことを考えると、労力・費用面においても経済的です。
【デメリット】
⊖ 形式に制約がある
内容証明を作成する際には、さまざまな制約が課せられます。
文字数は「1行20字以内、1枚26行以内」に収めなければなりません。
(横書きの場合、「1行13字以内、1枚40行以内」「1行26字以内、1枚20行以内」もOK)
また、例えば「③」は2字でカウントされるなど、文字数のカウントにも独特なルールがあります。
⊖ 他の書類の同封ができない
内容証明は、上記のルールに則った文書以外の書面を同封することができません。
図面や表といった参考資料を合わせて送りたい場合は、その資料を別便で送る必要があります。
⊖ 費用がかかる
通常の送料に加えて各種料金が加算されるため、一般的なお手紙と比べると割高に感じるかもしれません。
■内容証明料金:480円~
(用紙が2枚以上になる場合、2枚目以降は+290円/枚)
■通常郵便料金:110円~
(重さや大きさにより変動)
■一般書留料金:480円~
(損害補償額により変動)
➡合計1,070円~
しかし、上記メリットでもお話ししたとおり、
訴訟など問題が大きくなる前に解決できる可能性が高いことを考えれば、とても経済的です。
04-内容証明を利用する際に使えるサービス
内容証明を利用するとき、併せて使えるサービスをご紹介します。
① 配達証明
郵便局が郵便物を配達したあと、配達の事実や配達日を証明してくれるサービスです。
配達が完了すると、証明内容が記載されたハガキ状の「郵便物等配達証明書」が差出人宛に届きます。
内容証明は「いつ、どのような内容の文書を、誰から誰に送ったか」は証明してくれますが、
「配達した」という事実や「いつ届けたか」という日にちまでは証明してくれません。
その場合、例えば相手方が「受け取っていない」と主張してきたときは、
その後の実現したい最終目的に到達させることが難しくなります。
内容証明を出すような大切な文書には、配達証明はつけるべきサービスです。
※1通につき350円の料金がかかります。
② 行政書士名義を入れる
内容証明作成を行政書士に依頼する場合に利用できるサービスです。
内容証明の文書内に「行政書士により作成したものである」などといった文言と行政書士名を入れることで、
その内容証明の送付に専門家が介入していることを示すことができ、
「より信ぴょう性を増したものである」と相手方に印象づけることも可能です。
また内容証明には、差出人の氏名住所の記載が必要となります。
自分の現住所を知られたくないといった場合、行政書士名義を入れることで、現住所を伏せて送ることも可能です。
※行政書士名義を入れたとしても、内容によっては差出人の現住所を記載しなければならない場合もありますので、
ご了承ください
名義を入れる・入れないに関わらず、
行政書士などの専門家に依頼することで、内容証明として差し出すにふさわしい文面で送ることができます。
ぜひ、行政書士に依頼することも検討してみてください。
③ 電子内容証明
内容証明には、書面で作成したものを郵送する通常の方法のほかに、
Wordファイルで作成したものを、インターネットを通じて郵送する「電子内容証明」という方法があります。
個人で手続きをする場合には、書面で作成・郵送する通常の方法に比べ、メリットの多い方法です。
【メリット】
◎ 時間を問わず、インターネットから発送手続きができる
◎ 作成した文書を印刷したり、郵送用の封筒を用意する必要がない
◎ 文書内での押印が不要
◎ 内容の文字数によっては、通常の方法に比べて料金が安くなる
【デメリット】
⊖ 複数の相手に対し、同一内容のものを送ることができない
なお、電子内容証明では行政書士の職印が押せないため、
当事務所では、信ぴょう性を高める点を鑑み、書面で作成したものを郵送する通常の方法でお手続きしております。
05-内容証明を利用する場面例
内容証明が利用できる場面は数多くありますが、身近な場面で使える代表的な例を一部ご紹介します。
【宗教脱会】
宗教団体から退会したい場合、内容証明郵便を使って、
会員名簿からの削除、今後の接触への拒否 などの意思表示が可能です。
正式な退会方法などを明示していない宗教団体も多く、その場合は内容証明郵便が効果的です。
【クーリングオフ】
クーリングオフとは、訪問販売や電話勧誘販売などにおいて、
一定期間内であれば、申込みを撤回・解約することができる制度のことをいいます。
販売業者側でクーリングオフの方法が設けられていればその方法に従えばいいのですが、
具体的な方法が明示されていない場合、内容証明郵便をおすすめします。
のちにクーリングオフの意思表示をした・していない問題になった場合、
内容証明郵便を使っていれば重要な証拠となります。
【家賃の滞納を理由とする契約解除】
賃貸借契約の解除は、いきなりすることができません。
つまり、まずは「△月×日までに、滞納している家賃を払ってください」と伝えたあと、
△月×日を過ぎても支払いがない場合に、やっと解除ができます。
家賃の支払い通知・解除の通知 いずれにしても、確実に相手方に通知が到達したという事実が必要なので、
この場合にも内容証明郵便は重要な役割を果たしてくれます。

行政書士事務所
当事務所では、内容証明郵便の作成についてお困りのことがございましたら、
まずは無料にてご相談を承っております。
どうぞお気軽にご相談ください。